迷子になる子

幼い頃の私は、自然の中で遊ぶのが好きで、生き物とか昆虫をかを追いかけているうちに知らないところまで行ってしまい、戻れなくなる子でした。自分が方向音痴だと気付いてからは、あまり遠くまで行かないようになりました。

ある週末、両親に連れらて大好きな海に行きました。遠くまで行かないように気をつけて、家族が座っている前で、浮き輪に座ってプカプカしていました。ぼーっと空を見上げていると雲の形がいろんな生き物に見えてきて、すごいなぁー。頭の中でいろんなストーリーが浮かんで、しばらくファンタジーの世界に浸っていました。ふと気が付いて岸の方を見ると、ずいぶん遠いところまで流されていることに気づいて、急いで戻りましたが、さっきまでの風景と違います。家族が座っていた姿もなくなっていました。砂浜に上がり、浮き輪をもって歩き回っても両親の姿がなく、私は大声で泣き出しました。鼻水が大量に流れて口の中に入ってきますが、気にしている余裕はなく、大声を上げ続けました。


そしたらお巡りさんがやってきて、しゃがんで私の顔を覗きこみ、何かを尋ねています。パニックの私は何が何だか分からなくなり、しゃくりあげて鼻水を垂らし続けました。おまわりさんは、ポケットからティッシュを取り出し、優しく私の鼻を拭いてくれました。そしたら、その横をすごい勢いで女の人が走り抜けました。大声で叫んでいます。母でした。あぁ〜、と思い手を上げようとしましたが、走り去ってしまいました。お巡りさんは、もっとたくさんのティッシュを出して、私の鼻をゆっくりしっかり拭いてくれました。そのティッシュは、女の子用のカラフルな絵柄がついていました。母がまたすごい勢いで走って戻ってきて、私たちに気づきました。父もそこに合流して、一件落着しました。父は、私がおぼれたと思い海に潜って私を探してたと言っていました。

こうして、私は家族の問題児になりつつあることを少しづつ自覚してゆきます。それにしても、おじさんのお巡りさんが、あんな可愛い柄のティッシュ・・・不思議、という感覚だけ強烈に覚えています。

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